『類聚名義抄』の概要
ここでは、諸本、編者、成立、価値、構成、出典、諸本の影印・索引、 参考文献などに関して、『類聚名義抄』の概要を述べる。
諸本
諸本は、原撰本と改編本との二つの系統がある。
原撰本は 宮内庁書陵部所蔵の一本が残る。原撰本系と呼ぶこともある。 宮内庁書陵部本は、図書寮本として 1950年に紹介されたものである。
改編本は、改編本系、広益本とも呼ばれ、 観智院本、高山寺本、蓮成院本、西念寺本、宝菩提院本が 知られる。 観智院本のみが完本であり、他は残欠本、零本である。 改編本は、江戸時代の伴信友をはじめとして、諸氏による研究が 蓄積されてきた。 現在、『名義抄』と略称される。
編者
原撰本は法相宗または法相宗・真言宗兼学の学僧、 改編本系真言宗の学僧と推定されるが未詳である。 菅原是善著とする説があるが、これは誤りである。
成立
原撰本である図書寮本は、法部上の一帖の零本である。奥書・識語等はないが院政時代の書写とされる。 「永超僧都」の記事が見え、永超は永保元年(1081)に僧都となるから、 おそらく1000年前後には成立していたと考えられる。
改編本は、高山寺所蔵の聖教に高野山の僧玄証の筆になる治承二年(1178) の書き込みがあり、その内容が改編本『名義抄』に一致することから、その頃までに 成立したことが分かる。
価値
漢字を単字または熟字で掲げて、反切・類音注・片仮名による字音注、 漢文による意義注、片仮名和訓、「正・俗」等の漢字字体注記を付す。 字音と和訓には声点を施すものがある。日本語語彙史、日本漢字音史、漢字字体史を研究する 上で重要な資料となっている。
構成
観智院本によると、120部は、仏法僧の三部からなり、それぞれに 40部首を収める。 その詳細は次のとおりである。 部首番号と部首字を示す。
- 仏
- (仏上)1人 2彳 3辵 4匚 5走 6麦 7一 8丨 9十 10身
- (仏中)11耳 12女 13舌 14口 15目 16鼻 17見 18日 19田 20肉
- (仏下本)21舟 22骨 23角 24貝 25頁 26彡 27髟 28手 29木 30犬
- (仏下末)31牛 32片 33豸 34乙 35儿 36𠬞 37八 38大 39火 40黒
- 法
- (法上)41水 42冫 43言 44足 45立 46豆 47卜 48面 49歯 50山
- (法中)51石 52玉 53色 54邑 55阜 56土 57心 58巾 59糸 60衣
- (法下)61示 62禾 63米 64丶 65宀 66勹 67穴 68雨 69門 70口 71尸 72虍 73广 74鹿 75疒 76歹 77子 78斗 79倝 80寸
- 僧
- (僧上)81艸 82竹 83力 84刀 85羽 86毛 87食 88金
- (僧中)89亼 90爪 91网 92皿 93瓦 94缶 95弓 96㫃 97矢 98斤 99矛 100戈 101欠 102又103攴 104殳 105皮 106革 107韋 108車 109羊 110馬 111鳥 112隹
- (僧下)113魚 114虫 115鼠 116亀 117鬼 118風 119酉 120雑
部首立ては、梁・顧野王撰『玉篇』の542部により形の類似した部ものを隣に置き(『玉篇』「彳」部と「行」部とを統合)、字数少ないものは最後の「雑」部にまとめている。
部首の配列は、意義による分類(人体・衣・食・住・動物・草木等)と字形の類似による分類を加味したものとなっている。耳部の次に女部、冫部の次に言部を配置するのは、「耳」「言」の草行書が「女」「冫」に類似することによる。
項目数
項目は、掲出字と注文を合わせたものを指す。 『類聚名義抄』にどれくらいの項目があるのか、その概略を観智院本によって示してみよう。 仏上から僧下までの10巻それぞれの巻について、項目数、掲出字の字数及び熟語数をまとめると 次のようになる1。
巻 | 1字 | 2字 | 3字 | 4字 | 5字 | 6字 | 7字以上 | 項目数 | 字数 | 熟語数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
仏上 | 1,650 | 469 | 53 | 13 | 3 | 2 | 2 | 2,192 | 2,840 | 329 |
仏中 | 3,123 | 573 | 55 | 20 | 9 | 1 | 5 | 3,786 | 4,620 | 325 |
仏下本 | 3,027 | 679 | 100 | 13 | 5 | 2 | 2 | 3,828 | 4,790 | 417 |
仏下末 | 1,287 | 264 | 28 | 9 | 1 | 1 | 2 | 1,592 | 1,963 | 140 |
法上 | 3,054 | 437 | 61 | 8 | 4 | 3 | 5 | 3,572 | 4,226 | 213 |
法中 | 3,623 | 622 | 61 | 15 | 7 | 3 | 4 | 4,335 | 5,195 | 310 |
法下 | 2,721 | 760 | 134 | 10 | 5 | 2 | 7 | 3,639 | 4,774 | 416 |
僧上 | 2,226 | 1,100 | 185 | 24 | 6 | 4 | 1 | 3,546 | 5,139 | 635 |
僧中 | 1,974 | 939 | 133 | 23 | 4 | 3 | 2 | 3,078 | 4,397 | 386 |
僧下 | 1,996 | 829 | 167 | 30 | 6 | 4 | 7 | 3,039 | 4,396 | 409 |
合計 | 24,681 | 6,672 | 977 | 165 | 50 | 25 | 37 | 32,607 | 42,340 | 3,580 |
出典
原撰本の図書寮本は、法部上の零本だが、諸種の文献を書名・人名を付して忠実に引用するのが特色で、日本語史研究の重要な資料として広く利用されている。 掲出項目は3,657項目、うち単字が951項目、残りが熟語である。 熟語は、玄応撰『一切経音義』、真興撰『大般若経音訓』、中算撰『妙法蓮華経釈文』、慈恩撰書によるものが大半を占める。 仏典音義以外では、顧野王撰『玉篇』、空海撰『篆隷万象名義』、菅原是善撰『東宮切韻』、源順撰『倭名類聚抄』によるものが多い。 これら出典の引用には一定の順序があり、漢文の意義注では、外典(漢籍・国書) よりも内典(仏典)が優先される。 和訓は、外典の訓点本による。アクセント符号(声点)が正確に施され、平安時代の語彙とそのアクセントを伝える。字音(反切・類音注・片仮名注)にも声点が施され、字音の資料となる。
改編本(広益本)は、完本の観智院本で見ると、約32,000の掲出項目に約34,000の和訓を収録する。声点付き和訓は約10,000である。 原撰本にあった出典の人名・書名を削除し、漢文の意義注もその多くを省いている。 万葉仮名の和訓は片仮名に改められている。 単字の項目を大幅に増補する。和訓は原撰本にあった項目では追加・整理がなされ、 改編本で増補した項目でも和訓が数多く増補され、 収容の和訓は極めて多くなっている。 異体字と「正・俗」等の字体注、漢音・呉音の字音注は日本語史の資料の一大宝庫となっている。 同一部首内の掲出項目の配列には、類似字形による配列、『玉篇』に一致する配列(『玉篇』字順群)が認められる。 原撰本は法上を残すのみであるが、原撰本と改編本とを対照して 増補、改訂の様相をうかがうことができる。原撰本が存しない部分 は、原撰本で主要な出典であった諸文献と照合することにより、 その典拠を確かめることが可能である。 引用頻度の多い、『一切経音義』、『篆隷万象名義』、『倭名類聚抄』は完存しており 改編本の解読に際しては、それらの参照を怠らないようにしたい。
原撰本
図書寮本
清水谷公揖家旧蔵、宮内庁書陵部現蔵。1950年に『図書寮本類聚名義抄』として原装影印刊行された。橋本不美男による解説を付す。 国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる。
1969年に洋装本として再刊、1976年に索引(出典・仮名・漢字の3種)を完備して再刊(築島裕解説、宮澤俊雅仮名索引、酒井憲二漢字索引)。現存本は法部上下(40部首)の上冊(20部首)であり、本来、仏法僧の各2冊であったと推定される。表紙右上に「五」と記すことから、第5冊目であったことが分かる。
改編本
観智院本
東寺観智院旧蔵、天理図書館現蔵の篇目1帖本文10帖の完本。1241(仁治2)年慈念書写、1251(建長3)年顕慶転写の奥書がある。
影印・複製にはいくつかのものがある。最初にその略称を示して、その後に、解説を加える。
貴重図書版 1937年、貴重図書複製会より原装影印刊行(山田孝雄解説)。国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる。
古典全集版 1938-1940年、日本古典全集刊行会より凸版で再複製(正宗敦夫編仮名索引漢字索引)。
風間版 1954-1955年、索引付きで風間書房より再刊(中田祝夫解説)。 風間書房版は、第1巻に本文、第2巻に漢字索引と仮名索引を収録する。本文1冊本で利用に便利である。 漢字索引と仮名索引は、風間版のページ数により所在が示される。 凸版の影印である。
旧天理版 1976年、『天理図書館善本叢書和書之部』(第32-34巻)に乱丁を正して再複製刊行(吉田金彦解説)。天理大学出版部、八木書店(発売)。 所在の標示は、原文の帖数と丁数による。モノクロ、オフセット印刷である。
新天理版 2018年、『新天理図書館善本叢書』(第9-11巻)として高精細カラー版刊行(大槻信解説)。 これは、修理後に再撮影した高精細カラー版である。天理大学出版部、八木書店(発売)。
原文の帖数と丁数に加えて、旧天理版のページ数と風間版のページ数が示されており、 風間版の索引の利用に便利である。
蓮成院本
興福寺蓮成院旧蔵、鎮国守国神社(三重県桑名市)現蔵の零本3帖。鎌倉末期から室町初期の書写。鎮国守国神社本ともいう。
観智院本の仏上・仏中に相当する第1冊(上一)、法上の途中までに相当する第2冊(中二)、僧に相当する第3冊(下一・下二)である。1965年、未刊国文資料刊行会より『三宝類聚名義抄』として複製刊行(尾崎知光解説)、1986年、勉誠社より再複製刊行。勉誠社版が鮮明である。
高山寺本
高山寺旧蔵、宝玲文庫を経て天理図書館現蔵。院政期の書写。
観智院本の仏上と仏中に相当する零本2帖。冒頭「三宝類字集巻上」として篇目を掲げ、本文「仏宝類字集巻上一/第一人篇」より始まる。『高山寺聖教目録』(建長目録)に「三宝類字集 一部六帖」とあるのに対応。 2016年、『新天理図書館善本叢書』(第8巻)に高精細カラー版が刊行(山本秀人解説)。
西念寺本
1767(明和4)年、慧察本の残欠本1帖。仏上・仏中の一部を残す。天理図書館・関西大学現蔵。 複製は未公刊だが、 関西大学本は画像が公開されている。
宮内庁書陵部本も公開されている。 これは関西大学本よりも天理図書館本に近い。先行研究では天理図書館本を用いることが多いが、 天理図書館本の複製刊行はなく、従来は、天理図書館に出向いて写真版を入手する必要があった。 宮内庁書陵部本を参照すれば、天理図書館本と同内容の西念寺本を知ることができる。
宝菩提院本
観智院本の仏下本に相当する「舟」部から「犬」部まで零本1帖。鎌倉時代後期頃の書写。
2002年、大正大学出版会より複製刊行(倉島節尚解説)、 2006年には同出版会より和訓索引も刊行(倉島節尚編)。
索引
漢字索引
- 正宗敦夫編『類聚名義抄 第2巻 漢字索引仮名索引』風間書房、1955
- 長島豐太郎編『古字書綜合索引』(上下)日本古典全集刊行會、1958-1959
和訓索引
- 正宗敦夫編『類聚名義抄 仮名索引』日本古典全集刊行会、1939-1940、国会図書館デジタルコレクション
- 正宗敦夫編『類聚名義抄 第2巻 漢字索引仮名索引』風間書房、1955
- 望月郁子編『類聚名義抄:四種声点付和訓集成』(笠間索引叢刊44)笠間書院、1974、国文学研究資料館学術リポジトリ
- 草川昇編『五本対照類聚名義抄和訓集成』汲古書院、2000
- 倉島節尚編『宝菩提院本類聚名義抄和訓索引』大正大学出版会、2006
参考文献
参考文献は数多いが、ここでは、書誌研究、出典研究に関わる成果を 中心に刊行年代の順にあげる。
なお、最初と最後の頁の記載は省略した。また、 小林恭治による『西念寺本類聚名義抄』における増補と脱漏」に 関する一連の論文は数が多いので最初と最新のものを二つあげるに とどめた。
現在、整備中であり、当然あげるべきものでも未記載のものがある。
- 岡田希雄『類聚名義抄の研究』一条書房、1944
- 金田一春彦「類聚名義抄和訓に施されたる声符に就て」『橋本博士還暦記念国語学論集』岩波書店、1944
- 築島裕「類聚名義抄の倭訓の源流について」国語と国文学』27(7)、1950
- 渡辺修「図書寮蔵本類聚名義抄と石山寺蔵本大般若経字抄について」『国語学』10、1953
- 吉田金彦「図書寮本類聚名義抄出典攷(上)(中)(下一)」『訓点語と訓点資料』、1954、1594、1955
- 中田祝夫「類聚名義抄使用者のために」『類聚名義抄』風間書房、1955
- 築島裕「訓読史上の図書寮本類聚名義抄」『国語学』37、1959
- 渡辺実「西念寺本・蓮成院本類聚名義抄について」『島田教授古稀記念国文学論集』、1960
- 酒井憲二「類聚名義抄の字順と部首排列」『本邦辞書史論叢』三省堂、1967
- 築島裕「改編本系類聚名義抄の成立時期について」『福田良輔教授退官記念論文集』九州大学文学部国語国文学研究室福田良輔教授退官記念事業会、1969
- 小松英雄『日本声調史論考』風間書房、1971
- 西端幸雄「類聚名義抄における誤写の考察」『訓点語と訓点資料』45、1971
- 福田益和「辞書における部首排列の基準〔上〕〔下〕―新撰字鏡と類聚名義抄―」『長崎大学教養部紀要人文科学』12、13、1971、1972
- 築島裕「真興撰大般若経音訓について」『長沢先生古稀記念図書学論集』三省堂、1973
- 西端幸雄「類聚名義抄における誤写の諸例」『訓点語と訓点資料』52、1973
- 宮澤俊雅「図書寮本類聚名義抄に見える篆隷万象名義について」『訓点語と訓点資』52、1973
- 今西浩子「類聚名義抄・和訓の配列」『訓点語と訓点資料』57、1976
- 犬飼守薫「『類聚名義抄』―観智院本と蓮成院本と―の「雑」部の比較対象(上)」『椙山女学園大学研究論集』8(2)、 1977
- 犬飼守薫「『類聚名義抄』―観智院本と蓮成院本と―の「雑」部の比較対象(中)」『椙山女学園大学研究論集』9(2)、 1978
- 沼本克明「図書寮本類聚名義抄「真興音(和音)」論続貂」『国語と国文学』55(10)、1978
- 高瀬正一「和訓よりみた「新撰字鏡」と「観智院本類聚名義抄」について」『語文研究』44、1978
- 風間力三「類聚名義抄の文選読」『甲南大学紀要文学編』36、1980年
- 犬飼守薫「『類聚名義抄』―観智院本と蓮成院本と―の「雑」部の比較対象(下)」『椙山女学園大学研究論集』13(2)、 1981
- 原卓志・山本秀人「図書寮本類聚名義抄における玄応一切経音義引用の態度について」『鎌倉時代語研究』6、1983
- 中村宗彦『九条本文選古訓集』風間書房、1983
- 山本秀人「改編本類聚名義抄における文選訓の増補について」『国文学攷』105、1985
- 山本秀人「蓮成院本類聚名義抄の成立について―異質な本文を有する部分の存在とその素性―」、『鎌倉時代語研究』8、1985
- 宮澤俊雅「図書寮本類聚名義抄と倭名類聚抄」『松村明教授古稀記念国語研究論集』明治書院、1986
- 山本秀人「改編本類聚名義抄における新撰字鏡を出典とする和訓の増補について―熟字訓を対象として―」『国語学』144、1986
- 宮澤俊雅「図書寮本類聚名義抄と篆隷万象名義」『訓点語と訓点資料』77、1987
- 築島裕「改編本系類聚名義抄逸文小見」『鎌倉時代語研究』11、1987
- 宮澤俊雅「図書寮本類聚名義抄と法華音訓」『北大国語学講座二十周年記念論輯辞書・音義』汲古書院、1988
- 山本秀人「類聚名義抄における和名類聚抄を出典とする和訓の摂取法について―原撰本編纂、改編、改編後の増補、の三段階に着目して―」『広島大学文学部紀要』47、1988
- 西原一幸「図書寮本『類聚名義抄』所引の類云とは何か」『和漢比較文学研究の諸問題』汲古書院、1988
- 山本秀人「図書寮本類聚名義抄における真興大般若経音訓の引用法について―叡山文庫蔵息心抄所引の真興大般若経音訓との比較より―」『訓点語と訓点資料』85、1990
- 池田証寿「図書寮本類聚名義抄と玄応音義との関係について」『国語国文研究』88、1991
- 山本真吾「慶応義塾図書館蔵『性霊集略注』出典攷―類聚名義抄からの引用を中心として―」『鎌倉時代語研究』14、1991
- 小林恭治「類聚名義抄諸本の仮名注の記載位置について」『訓点語と訓点資料』89、1992
- 宮澤俊雅「図書寮本類聚名義抄の注文の配列について」『小林芳規博士退官記念国語学論集』汲古書院、1992
- 河野敏宏「観智院本『類聚名義抄』所引の『本草和名』について」『日本語論究2 古典日本語と辞書』、和泉書院、1992
- 望月郁子『類聚名義抄の文献学的研究』笠間書院、1992
- 池田証寿「図書寮本類聚名義抄の単字字書的性格」『国語国文研究』94、1993
- 石井行雄『七帖字書』考『語学文学』31、1993
- 池田証寿「図書寮本類聚名義抄と類音決」『訓点語と訓点資料』96、1995
- 山田健三「名義抄における部首検索システムの構築」『愛知学院大学教養部紀要』44(4)、1997
- 田村夏紀「観智院本『類聚名義抄』と『龍龕手鑑』の正字・異体字の記載の比較」『鎌倉時代語研究』20、1997
- 田村夏紀「「干禄字書」と観智院本「類聚名義抄」の比較―図書寮本「類聚名義抄」を介在として」『国語学 研究と資料』21、1997
- 田村夏紀「観智院本『類聚名義抄』と『龍龕手鑑』における漢字字体の記載の比較 : 異体字が連続して記される形式について」『早稲田日本語研究』6、1998
- 田村夏紀「『干禄字書』と観智院本『類聚名義抄』の正字・異体字の比較」『国文学研究』125、1998
- 佐々木勇「天理図書館蔵正平七年写本『最勝王經音義』の性格 : 類聚名義抄諸本との比較を中心に」『鎌倉時代語研究』11、261-294頁、1988年
- 貞苅伊徳『新撰字鏡の研究』汲古書院、1998
- 田村夏紀「観智院本『類聚名義抄』における熟語に用いられる漢字字体について」『鎌倉時代語研究』22、1999
- 田村夏紀「観智院本『類聚名義抄』と『龍龕手鏡』の漢字項目の類似性」『訓点語と訓点資料』105、2000
- 田村夏紀「図書寮本『類聚名義抄』と観智院本『類聚名義抄』の記載内容の比較 : 和訓と字体注記に注目して『鎌倉時代語研究』23、2000
- 草川昇『五本対照類聚名義抄和訓集成』汲古書院、2000
- 小林恭治「西念寺本類聚名義抄における増補と脱漏―観智院本から見た項目の有無について―」『鶴見大学仏教文化研究所紀要』5、2000
- 山本秀人「類聚名義抄における史記の訓の採録について―図書寮本における不採録の訓を中心に—」『鎌倉時代語研究』23、武蔵野書院、2000
- 山本秀人「図書寮本類聚名義抄における出典無表示の和訓について―国書の訓との関わりを中心に―」『高知大国文』32、2001
- 山本秀人「宝菩提院本類聚名義抄について–観智院本との比較より–」『訓点語と訓点資料』111、2003
- 和田桂「宝菩提院本類聚名義抄と観智院本との比較から–手の部を中心にして」『国文学踏査』17、2005
- 倉島節尚「宝菩提院本類聚名義抄について 続稿」『国文学踏査』17、2005
- 和田桂「宝菩提院本類聚名義抄と観智院本との比較から–木の部を中心にして」『国文学踏査』18、2006
- 高橋宏幸「『図書寮本類聚名義抄』所引「月令・月」の和訓について」『国文学論考』40、2004
- 築島裕「静嘉堂文庫蔵本毛詩鄭箋古点解説」『毛詩鄭箋(三)』(古典研究会叢書漢籍之部3)汲古書院、2004
- 高橋宏幸「『図書寮本類聚名義抄』所引「律」をめぐって―附、「允亮抄」」『国文学論考』41、2005
- 高橋宏幸「『図書寮本類聚名義抄』所引『古文孝経』の和訓について」『国文学論考』42、2006
- 高橋宏幸「『図書寮本類聚名義抄』所引「顔氏家訓」の和訓について」『国文学論考』43、2007
- 舩城俊太郎「白氏文集と色葉字類抄」『人文科学研究』121、1-39、2007
- 舩城俊太郎「三巻本色葉字類抄に見いだされる唐時代の白話語の熟語―白氏文集からのそれを中心にして―」『人文科学研究』125、101-140、2009
- 山本秀人「改編本類聚名義抄における「東人云」について(上)–新撰字鏡との関連を中心に–」『国語語彙史の研究 三十』和泉書院、2011
- 山本秀人「改編本類聚名義抄における「東人云」について(下)–語としての性格・意味の探求–」『国語語彙史の研究 三十一』和泉書院、2012
- 吉田金彦『古辞書と国語』臨川書店、2013
- 築島裕『築島裕著作集 第三巻 古辞書と音義』汲古書院、2016
- 小林恭治「西念寺本類聚名義抄における増補と脱漏―異本注記の有無について―(十一)」『鶴見大学紀要第4部 人文・社会・自然科学編』53、2016
- 加藤浩司「観智院本類聚名義抄の人字和訓ワレと僧字和訓ヤハラグ・ネンコロおよび僧字の成立について」『都留文科大學研究紀要』85、2017
- 張馨方「注文中の漢字字体の記載からみた改編本系『類聚名義抄』」『北海道大学大学院文学研究科研究論集』17 、2017
- 張馨方「観智院本『類聚名義抄』における小字字体注記について」『漢字文化研究 : 漢検漢字文化研究奨励賞受賞論文集』9、2018
- 張馨方「改編本『類聚名義抄』の掲出字体について」『北海道大学大学院文学院研究論集』19、2019
- 大槻信『平安時代辞書論考』吉川弘文館、2019
- 田村夏紀「『干禄字書』と『類聚名義抄』の漢字字体の比較」『都留文科大學研究紀要』89、2019
- 萩原義雄「観智院本『類聚名義抄』和訓語彙から垣間見たことばの運行」『駒澤日本文化』13、2019
- 小林恭治「観智院本類聚名義抄の筆者Aについて」『訓点語と訓点資料』144、2020
- 鈴木裕也「改編本『類聚名義抄』における和音注の継承と増補について」『訓点語と訓点資料』144、2020
- 池田証壽・劉冠偉・鄭門鎬・張馨方・李媛「観智院本『類聚名義抄』全文テキストデータベース―その構築方法と掲出項目数等の計量―」『訓点語と訓点資料』144、2020
- 山田健三「辞書生活史と言語史」『訓点語と訓点資料』144、2020
- 劉冠偉・李媛・池田証壽「GlyphWikiによる観智院本類聚名義抄字形の再現」『じんもんこん2020論文集』、2020
- 鈴木裕也「改編本『類聚名義抄』の呉音注と共通祖本について」『国語国文』90(2)、2021
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池田証壽・劉冠偉・鄭門鎬・張馨方・李媛「観智院本『類聚名義抄』全文テキストデータベース―その構築方法と掲出項目数等の計量―」(『訓点語と訓点資料』144、2020)による数値と異なるところがある。その後の点検により数値を修正したためであるが、大勢に影響はない。 ↩︎